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事故物件になったらどうする?オーナーが取るべき対応の流れ

目次

所有物件が事故物件になったときは、初期対応を誤らないことが重要です。ここでは、通報から清掃、告知義務までの流れをまとめています。

事故物件とは?告知義務が生じるケースを確認する

事故物件への対応を進める前に、まず所有物件が告知義務の対象にあたるかを確認するのが重要です。自然死や日常生活の中で起きた不慮の事故死は、原則として告知対象外とされています。ただし、発見が遅れて遺体の腐敗が進み、特殊清掃や大規模な消臭作業が必要になった場合は、告知が必要になるケースがあります。

また、他殺・自死・火災による死亡などは告知対象に含まれます。室内だけでなく、入居者が日常的に使う共用部分で発生した死亡事案も対象になることがあるため注意が必要です。対応の流れを確認する前に、死因や発見状況、特殊清掃の有無を整理し、ガイドラインに沿って判断しましょう。

参照元:国土交通省|宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン[※PDF](https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001727517.pdf

【初期対応】入居者の異変に気づいたらまずすべきこと

生死が不明なら救急を呼ぶ

入居者から返事がない・ぐったりしている・意識がはっきりしないなど、生死が判断できない場合は119番に通報し、救急車を要請します。自己判断で様子を見るのではなく、救急隊の到着を待ちましょう。通報時には、物件の住所・発見時の状況・入居者の様子・通報者の氏名や連絡先などを落ち着いて伝えます。

心臓マッサージや人工呼吸をすべきか迷う場合も、電話口の指示に従うことが大切です。ただし、孤独死の可能性がある現場では、体液などによる感染リスクや警察の検証が必要になるケースもあります。指示がない限り入居者の体や周囲の物に不用意に触れず、現場の状態を保ったまま救急隊を待ちましょう。

異臭・腐敗など死亡が明らかなら警察へ通報

室内から強い異臭がする・体の腐敗が進んでいる・大量の血液が乾いているなど、死亡していることが明らかな場合は110番に通報し、警察へ連絡します。事故死や病死に見えても、事件性の有無を確認する必要があるため、遺体や室内の物を動かしてはいけません。

通報時には、物件の住所・目印・発見時の状況・遺体の様子・通報者の氏名と連絡先などを落ち着いて伝えます。警察が到着するまでは現場を保全し、指示を待ちましょう。

オーナー・管理会社だけで室内に立ち入らない

近隣住民から「異臭がする」「虫が発生している」「入居者と連絡が取れない」などの連絡があった場合は、放置せず速やかに対応しましょう。孤独死や自死が疑われる状況を把握しながら対応が遅れると、臭いや害虫の被害が広がり、隣室や階下の入居者から管理責任を問われるおそれがあります。

一方で、オーナーや管理会社だけで管理キーを使い、室内に立ち入るのは避けるべきです。まずは入居者の家族や連帯保証人へ連絡し、状況を確認します。連絡が取れない場合や、死亡の可能性がある場合は警察へ通報しましょう。

室内に入る必要があるときも、独断で入室せず、警察官に同行してもらうのが大切です。現場を不用意に動かすと、事件性の確認や死因の調査に影響する可能性があります。初期対応では、被害拡大を防ぎつつ、現場を保全する意識を持ちましょう。

遺体の発見・対応の流れ

警察の現場検証と遺族への連絡

死亡が確認されると、まず警察による現場検証が行われます。事件性の有無が確認されるまでは、遺族や大家、管理会社も室内に入れません。身元が判明すると警察から遺族へ連絡が入り、死因や発見時の状況説明を受けた後、遺体の引き取りや死亡届の提出へ進みます。遺体の状態や身分証の有無によっては、身元確認に時間がかかる場合もあるでしょう。

遺族・連帯保証人への連絡は冷静に行う

遺族や連帯保証人へ連絡する際は、感情的にならず、冷静に状況を伝えましょう。突然の連絡を受ける遺族側も大きなショックを受けているため、責めるような言い方や高圧的な態度は避けるべきです。最初の連絡で原状回復費や損害賠償の話を強く出すと、遺族が警戒し、協力を得にくくなる場合があります。

また、何度も電話をかけたり、早急な返答を求めたりする対応も避けたいところです。遺族が相続放棄を選択すると、残置物の整理や特殊清掃費などの負担先が限られ、オーナー側の負担が大きくなる可能性があります。

初期対応では、現状を共有し、今後確認したい内容を落ち着いて伝えましょう。室内の残置物・契約関係・鍵の扱いなど、遺族の協力が必要になる場面は少なくありません。請求の話は必要な作業や費用が明確になってから行い、まずは遺族や連帯保証人の協力を引き出す姿勢を持つことが重要です。連絡内容や日時を記録しておくと、後の確認や交渉にも役立ちます。

特殊清掃・消臭で原状回復を進める

警察の確認が終わった後は、室内の状態に応じて特殊清掃や消臭作業を進めます。発見までに時間がかかった場合、臭いや害虫の被害が隣室・階下へ広がるおそれがあるため、早めの対応が欠かせません。遺族の身元確認に時間がかかる場合や、相続放棄を検討している場合でも、被害拡大を防ぐために、オーナーや管理会社側で作業を先行するケースがあるでしょう。

ただし、室内に立ち入って作業を行う際は、遺族や連帯保証人へ事前に連絡し、作業内容や範囲を伝えておくことが大切です。連帯保証人がいる場合は、見積もりを提示したうえで支払い意思を確認しておくと、後のトラブル防止につながります。

臭いが床材や壁、天井などの建材に染み込んでいる場合は、表面的な清掃だけでは不十分なケースが多いです。必要に応じて床・壁・天井を解体し、消臭や内装工事を行いながら、次の入居募集に向けて原状回復を進めましょう。

遺品・残置物の処理と相続放棄の注意点

室内に残された家具・家電・私物などの残置物は、入居者の死亡後、相続人に所有権が承継されます。そのため、オーナーや管理会社が独断で処分することは避けましょう。無断で片づけると、後から遺族とのトラブルにつながるおそれがあります。

また、遺品整理は相続財産の処分とみなされ、相続放棄が認められなくなる余地があります。遺族が相続放棄を検討している場合は、先に意向を確認し、必要に応じて専門家へ相談してもらうことが大切です。

残置物の処分費は、まず相続人である遺族へ請求する流れになります。遺族がいない、連絡が取れない、相続放棄をしたなど請求が難しい場合は、連帯保証人へ相談・請求することを検討しましょう。処分前には、写真やリストで残置物の状態を記録しておくと、後の説明や費用請求にも役立ちます。

事故物件対応でかかる費用と請求先

事故物件対応では、特殊清掃・原状回復・未払い家賃・家賃減額分・残置物の処分費などが発生します。ただし、すべての費用を遺族や連帯保証人へ請求できるわけではありません。死因や特殊清掃の有無によって、費用の請求先は変わります

自然死や不慮の事故の場合、入居者本人に故意・過失がないため、原状回復費や家賃減額分を全額請求できないケースも。ただし、発見が遅れて特殊清掃が必要になった場合は、特殊清掃費や一部の原状回復費を遺族へ請求できる可能性があるでしょう。他殺の場合は、原状回復費や家賃減額分の請求先が加害者になる場合もあります。一方、自死の場合は、遺族へ原状回復費や家賃減額分を請求可能です。

未払い家賃や残置物の処分費は、まず相続人である遺族へ請求するのが基本となります。遺族がいない・連絡が取れない・相続放棄をした場合は、連帯保証人へ請求を検討します。あわせて、火災保険やオーナー向け保険で特殊清掃費・原状回復費などが補償されるか確認しておきましょう。

告知義務を守り空室対策で損失を抑える

事故物件になった場合は、次の入居希望者や購入希望者に対して、必要な内容を適切に告知することが重要です。賃貸契約では、国土交通省のガイドライン上、告知義務の期間は原則として事案の発生からおおむね3年とされています。ただし、特殊清掃が必要だった場合や、事件性・社会的影響が大きい場合は、3年を超えても告知が必要になる可能性が。売買では明確な期間の区切りがなく、経過年数にかかわらず慎重な対応が求められます。

告知せずに契約すると、借主や購入者から損害賠償請求・契約解除・賃料や売買価格の減額請求を受けるリスクがあるでしょう。後のトラブルを避けるためにも、事故の内容や発生時期、特殊清掃の有無などは記録に残し、管理会社や専門家に相談しながら対応するのが重要です。

一方で、告知義務を守るだけでは空室が長引く可能性もあります。損失を抑えるには、家賃の見直し、一定期間のフリーレント、敷金・礼金の調整、入居条件の緩和などを検討します。事故物件の募集に慣れた管理会社を活用すれば、家賃を大きく下げすぎずに募集戦略を立てやすくなるでしょう。

まとめ
まずは落ち着いて救急・警察への通報を

所有物件で人が亡くなっている可能性がある場合、まず生死が不明なら救急、死亡が明らかなら警察へ通報しましょう。室内への立ち入りや遺品処分は独断で行わず、遺族・連帯保証人と冷静に連絡を取ることが大切です。特殊清掃・原状回復・費用請求・空室対策まで、記録を残しながら慎重に進めましょう。

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