事故物件を相続・売却する際は、相続放棄や譲渡所得税の扱いを確認することが重要です。税金の基本と注意点を見ていきましょう。
事故物件を相続したくない場合、相続放棄をすれば、相続開始時から相続人ではなかったものと扱われます。そのため、固定資産税や譲渡所得税の納税義務は原則として発生しません。売却益も生じないので、譲渡所得税を心配せずに済みます。
ただし、相続放棄をすると不動産の所有者にならないため、その事故物件を売却することもできません。事故物件だけを選んで放棄することもできず、預貯金やほかの不動産など、プラスの財産も含めて相続を手放す形になります。
売れる見込みがある、または残したい財産がある場合は、相続して売却する方法を検討しましょう。一方で、負債が多い、物件に価値がない、管理費や固定資産税の負担が重い場合は、相続放棄も選択肢になります。
相続放棄をしても、市区町村がその事実をすぐに把握できず、固定資産税の納税通知書が届く場合があります。相続放棄が完了していれば、原則として固定資産税を支払う必要はありません。ただし、通知書を放置すると督促や延滞金などのトラブルにつながるおそれがあるため、早めに役所へ連絡しましょう。
対応する際は、家庭裁判所から届く相続放棄申述受理通知書、または申請して取得する相続放棄申述受理証明書を市区町村の窓口へ提出します。相続放棄が確認されれば、課税台帳の登録抹消や翌年以降の通知停止につながるでしょう。
相続放棄を検討する場合は、まず期限に注意しましょう。手続きは、自己のために相続の開始があったことを知った時から原則3か月以内に、家庭裁判所へ申し立てる必要があります。この期間を過ぎると、原則として相続放棄が認められなくなるため、事故物件の価値や負債の有無を早めに確認することが大切です。
また、相続放棄は事故物件だけを選んで手放せる制度ではありません。預貯金やほかの不動産など、プラスの財産も含めてすべて放棄することになります。さらに、相続財産から固定資産税や諸費用を支払ったり、財産を処分したりすると、単純承認とみなされ、相続放棄できなくなるおそれがあります。
相続放棄をしても、放棄の時に事故物件を 現に占有していた 場合は、他の相続人や相続財産清算人へ引き渡すまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって財産を保存する義務(保存義務)が残ります(2023年4月施行の改正民法940条1項)。改正前は「管理義務」とされ対象も広く解釈されていましたが、改正により対象者は「現に占有していた者」に限定されました。空き家や遠方の物件を占有していない場合は、原則として保存義務は生じません。
判断に迷う場合や負債の有無が分からない場合は、手続き前に財産へ手をつけず、司法書士や弁護士へ早めに相談しましょう。
参照元:相続弁護士ALG|相続放棄後でも固定資産税の支払い義務はある?(https://xn--alg-cb3h46z.com/souzokunohouhou/souzokuhouki/kotei-shisan-zei/)
引用元:弁護士たちばな総合法律事務所|【2023年民法改正対応】相続放棄における管理義務(保存義務)を徹底解説!免除方法や注意点も網羅(https://www.law-tachibana.jp/column/inheritance-2/1997/)
引用元: e-Gov 法令検索|民法(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)
相続放棄ではなく、事故物件を売却して手放す場合は、売却後の税金も確認しておきましょう。不動産を売却して得た利益を譲渡所得といい、この譲渡所得に対して課税されるのが譲渡所得税です。売却価格そのものに税金がかかるわけではなく、取得費や譲渡費用などを差し引いたうえで利益が出た場合に課税されます。
反対に、売却しても利益が出なければ、譲渡所得税はかかりません。事故物件は心理的瑕疵の影響により、通常の物件より売却価格が下がりやすく、亡くなった状況によっては相場の半値程度になるケースも。そのため、利益が出にくい傾向があります。
ただし、相続した事故物件では、被相続人が購入したときの売買契約書が見つからず、取得費を証明できないことがあります。この場合、取得費が少なく計算され、実際より大きな利益が出た扱いになる可能性があります。売却前に、取得費や譲渡費用の確認を進めておきましょう。
譲渡所得税は、売却で得た利益である課税譲渡所得金額に税率をかけて計算します。基本の計算式は、譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額=課税譲渡所得金額です。
取得費には、購入代金や購入時の手数料、設備費、改良費などが含まれます。ただし、建物は所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。譲渡費用は、仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、解体費など、売却のために直接かかった費用です。
譲渡所得税は、不動産を相続したときの相続税や、名義変更時にかかる登録免許税とは別に考える必要があります。
参照元:国税庁|No.3208 長期譲渡所得の税額の計算(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm)
譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって変わります。所有期間は、売却した年の1月1日時点で5年を超えるかどうかで判定します。具体的な所有期間は、以下の通りです。
5年以下で売却すると短期譲渡所得となり、税率が高くなるでしょう。一方、相続した事故物件の場合は、相続人が取得した日ではなく、被相続人がその物件を取得した日から所有期間を数えるのが基本です。そのため、親や親族が長く所有していた不動産であれば、相続後すぐに売却しても長期譲渡所得として扱われるケースがあります。
税率によって手残り額が大きく変わるため、売却前に取得日や所有期間を確認しておきましょう。
参照元:長谷工の仲介|長期譲渡所得とは?(https://www.haseko-chukai.com/column/sell/long-term.html)
引用元:国税庁|No.3211 短期譲渡所得の税額の計算(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3211.htm)
相続した事故物件では、被相続人が購入した当時の売買契約書が見つからず、取得費を証明できないケースも。この場合、実際には高い金額で購入していたとしても、売却価格の5%を概算取得費として計算します。
たとえば、事故物件を1,000万円で売却した場合、取得費は5%の50万円として扱われます。譲渡費用や特別控除を考慮しない単純計算では、950万円が利益となり、長期譲渡所得の税率を約20%とすると、税金は約190万円です。本来の購入価格を証明できれば税額を抑えられる可能性があるため、取得費が分からないまま売却するのは大きな負担につながります。
事故物件は、被相続人と相続人が疎遠で、契約書や購入時の資料の保管場所が分からないケースも少なくありません。売却前に、売買契約書や領収書、購入時のパンフレット、通帳の記録など、取得費を確認できる資料を探しておきましょう。
相続した事故物件を売却する場合、相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例を使える可能性があります。相続税を納めた人が、相続開始の翌日から3年10か月以内に売却した場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できる制度です。
取得費が増えると譲渡所得が小さくなるため、譲渡所得税の負担を抑えやすくなります。適用には要件があるため、売却前に税理士へ確認しましょう。
事故物件を売却して利益が出た場合は、売却した翌年に確定申告を行います。申告期間は原則として、売却した翌年の2月16日から3月15日までです。期間内に、納税地を管轄する税務署へ申告し、譲渡所得税を納付します。
相続した事故物件では、被相続人が購入した際の契約書が見つからず、取得費を証明できないケースがあります。税額が大きくなる可能性があるため、売却前から必要書類を整理しておきましょう。また、換価分割で代表者が1人で売却した場合でも、売却代金を取得した相続人全員がそれぞれ確定申告を行う必要があります。
引用元:国税庁|No.3102 譲渡所得の申告期限(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3102.htm)
事故物件を売却する際は、通常の不動産売却と同じく、売主である相続人が必要書類を準備します。主な書類は、本人確認書類・住民票・実印・印鑑証明書・登記済証または登記識別情報・固定資産税納税通知書・固定資産評価証明書などです。
戸建ての場合は、地積測量図や境界確認書を求められることもあります。さらに、間取り図、建築確認済証、検査済証、住宅性能評価書などがあれば、売却時の確認がスムーズになります。相続物件は書類の所在が分かりにくいことも多いため、早めに整理しておきましょう。
事故物件を早く手放したい場合、売れる見込みがあるなら専門の買取業者へ相談する方法があります。買取なら、残置物撤去・測量・解体・リフォームなどを業者側で引き受けてもらえる場合があり、売主の費用負担や時間的負担を抑えやすくなります。契約内容によっては、売却後の契約不適合責任を免除できるケースもあるでしょう。
ただし、買取価格は仲介より低くなる傾向があります。価格よりも「早く手放すこと」「追加費用を抑えること」を優先したい場合に向いている方法です。一方、売却が難しい・負債が多い・維持費だけがかかる場合は、相続放棄も選択肢になります。相続開始を知ってから3か月以内に、財産へ手をつけず判断しましょう。
所有物件が事故物件になった場合は、まず生死が不明なら救急、死亡が明らかなら警察へ通報しましょう。室内への立ち入りや遺品処分は独断で行わず、遺族・連帯保証人と冷静に連絡を取ることが大切です。特殊清掃・原状回復・費用請求・空室対策まで、記録を残しながら慎重に進めましょう。
本サイトの特集ページでは、「特殊清掃からお願いしたい」「とにかくすぐに買い取って欲しい」など、状況に応じたおすすめの事故物件買取業者を紹介しています。併せてご確認ください。
東京都内の事故物件を売却したいとお考えの方に向けて、状況別におすすめの会社をご紹介します。

特殊清掃・遺品整理~相続まで安心して任せられる点が魅力。事故物件のみを専門に扱う買取業者の中でお客様満足度1位※1も獲得
| 売却スピード | 最短2日 |
|---|---|
| 契約不適合責任 | 〇 |
| プライバシー配慮 | 〇 |

築古、再建築不可物件や借地などどのような物件※2でも買取が可能。持ち出し0円プランもあり、手元資金がなくてもすぐに売却できる
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|---|---|
| 契約不適合責任 | 〇 |
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| 売却スピード | 最短2日 |
|---|---|
| 契約不適合責任 | 〇 |
| プライバシー配慮 | 〇 |
※1参照元:ハッピープランニング公式HP(https://happyplanning.jp/)実施対象:全国の男女/有効回答数:250名/調査方法:インターネット調査/調査概要:2024年1月ブランドのイメージ調査/調査期間:日本ナンバーワン調査総研
※2買取りできない場合は協力会社をご紹介と公式HPに記載あり
参照元:成仏不動産公式HP(https://jobutsu.jp/tadashiikaitori/)